鈍感であること
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「あいつは鈍いやつだ」といえば、たいていは相手をけなす場合に使われる。しかし、現代では「鈍い」ことは決して悪いことではないようだ。それどころか、現代は「鈍い」ことが積極的に求められている時代であるともい える。たまたま本屋で「鈍感力」(渡辺淳一著 集英社)という本を見つけた。それによると健康である秘訣は鈍感であることだという。 一般に、血液が「さらさら」流れていれば健康である。血がさらさら流れるためには、血管が広がっていなければならない。血管が狭まれば血液の流れは停滞し、その先の部分がただれ、潰瘍になったりする。この血管をコントロールしているのが自律神経であり、鈍感だと血管が狭まったりしにくいのだそうだ。 緊張が高まると交感神経の働きにより血管が狭まり、反対にリラックスすると副交感神経により血管が広がる。緊張すると汗をかいたり(猿も緊張すると手に汗をかくらしい)、試験中にオシッコに行きたくなったりするのは、こうした自律神経の働きによる。驚きのあまり顔が真っ青になるのは、緊張のために血管が痙攣し、血の流れが止まるからである。
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